らいおんとはりねずみ





「なぁ、あのさ…」


「衣李ーっ♪」


東村が何か言いかけた時、タイミング良くみちるが飛んできた。東村はふぃっと前を向き、あたしは東村から視線を外した。


「お、おはよみちる。そんなにテンション高くなっちゃってどうしたの?」


「よくぞ聞いてくれたっ!!実はねさっき真崎先輩に…その髪型可愛いって言われちゃったぁー!!」


「マジで?良かったじゃん、みちる!!」


「うんうん♪あたしの想いも、いよいよ報われちゃう時かなぁ♪」


頭のてっぺんにおだんごをしたみちるがぐふふふと笑いながら妄想を浮かべる。可愛いね、恋する乙女は。


あたしは…どうなのかな?東村を少し気にしちゃってるけど、これも恋だよね?


あんなバカでかいらいおんを気にしちゃうなんて…可哀想なはりねずみ。






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