らいおんとはりねずみ
「ねぇねぇ衣李っ」
みちるが手招きをしてあたしを呼ぶ。あたしはさっきよりもみちるに近づく。
「東村くんとどうっ?」
「何が?」
「何か発展しつつあるっ?」
「…特にないけど」
「だっめじゃーんっ。アタックしなくちゃ!!衣李の気持ちに気づいてもらえないよ?」
すると、コソコソと話すあたし達を不思議に思う東村が視界に入った。
みちるー、東村にき…聞こえてたらどーすんのさ。あたしは冷や汗が出てきた。
「とにかく、ちゃんとアタックすること!!いいねっ?」
「別に、好きとかそういうんじゃ…」
「ぜぇーったい好きなの!!衣李は恋してんだからっ」
どうしてみちるはそう、はっきりと言い切れるんだろう。…てか、なぜあたしはみちるに恋愛の説教をされているんだ?