らいおんとはりねずみ





「はいはい…わかったから」


あたしは小さく頷いて、貼りまくった絆創膏を見つめた。


「あとさ…」


みちるが真剣な顔つきであたしを見つめた。


「衣李、あたしに隠し事しないでよ?あたし悲しいじゃんっ」


「…へ?何が?」


「知ってるんだよっ。…衣李が、なわとび出来ないこと」


「あ…」


なんでバレたんだろう?東村が話したとか…はないよね?


「1年の時のなわとび大会…衣李がズル休みしたこともわかってるんだからね」


「う…はい」


「この傷だって…衣李が頑張ってる証だし…うわぁーんっ」


イキナリ、みちるは泣き出した。もちろん、あたしはパニックだ。





< 41 / 77 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop