らいおんとはりねずみ
家の庭以外の練習場所と言えば…○×公園しかないよね。
「○×公園行ってくる」
「ごめんねー、衣李っ」
あたしはなわとびとケータイ、それにわずかなお金を持って○×公園へ向かった。
公園には夕方だからか、親子連れがちらほらいた。あたしはベンチがある場所へ向かった。ここなら誰もいない…よしっ。
そして跳ぼうとした時だった。
「…池田?」
聞き覚えのある声が聞こえた。まさかと思って振り返ると…まさかの人物が。
「ひ…東村」
「よ。…てか、何してんのお前」
見ればわかるでしょ、と軽くツッコミを入れるとなるほどなとベンチへ腰掛けた東村。
「な、なんでそこに座んのよっ」
「別にいいじゃん。このベンチ、池田のモンじゃないし」
「…確かにそうだけど」