らいおんとはりねずみ





1時間目、2時間目といつものように過ぎていく。


眠そうに欠伸をするギャル子。気になるコにちょっかいを出すシャイボーイと授業風景はいつもと変わらない。


だけどあたしと東村は違った。お互い目を合わさない。いつものように言葉も交わさない。


「何かあったでしょ?」


授業が短縮のためいつもより早い昼休み、お弁当を持ったままみちるが疑いの目を向けた。


「…少し」


「聞かせてっ!!ね、衣李?」


「場所、変えよっか」


みちるが頷き、あたし達はお弁当を持って教室を後にした。


教室じゃ絶対に言えない。東村だっているし、聞かれたら嫌だし。





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