らいおんとはりねずみ
みちるは1番前の席。あたしは日当たりのいい、後ろから2番目の窓際の席だ。そしてその席は、東村のお気に入りの席だった。
「衣李ぃーずっと友達だよー?」
「あのーみちる、卒業じゃないですよ?」
「だってーいじるモノが遠くなっちゃうなんて寂しいもーん」
あたしはみちるを説得して、席に行かせた。みちるの背中は可哀想だった。
「あたしも移動しなきゃ」
あたしは机と椅子を移動させた。椅子に座る。…うん、確かに暖かいな。
今は11月。これからの時期はココがぴったりじゃんね。そう思った時だった。
ガタン
あたしの右隣に机が置かれた。あたしはそーっと隣の隣人を見た。
「……あ」
なんと、あたしの隣の隣人は…東村だった。