秘密の王子様
「あたし親衛隊に入っちゃった!!」

そう言って会員書をぴらぴら見せびらかすあたしの親友…。



「…はぁぁぁぁぁ!?」

「えへっ★」

「えへっ★じゃなーい!!!!!」

「だって誘われたんだもん♪」

「…マジかよ…」

「ということで今日の昼休みは親衛隊の集まりがあるから行ってくるね♪」


そう言ってにこにこする愛理奈。
いつの間にそんなにファンになってたんだよー!!!!


そしてホームルームも終わり、今は4時間目…。
あたしの大嫌いな数学…。何言ってるかさっぱりわかんない…。
そんなことを思ってると、手紙が回ってきた。

『美陽
 陸様のことがお嫌いとお聞きしましたが本当ですの?
 凛』

うっ凛からだ…。凛はあたしと超腐れ縁で金持ちのくせに小中はあたしと同じ市立に通っていて、し・か・も今の高校二年までずーっとクラス一緒!!!

『正直嫌いじゃないけど、好きでもない』

どっちつかずの安全な答えにして凛に回した。

あ、また回ってきた。

『ふーん…。もしお嫌いならそれなりの覚悟をしておくことね』

完ぺきに嫌いなこと知られてる…っ。

あたしはその紙をくしゃくしゃにするとごみ箱に投げ捨てた。


―キーンコーンカーンコーン

よっしゃ!!やっと終わった!!

さっさと片付けて愛理奈とお弁当を食べていると、放送が流れた。

『親衛隊のみなさんは至急体育館へお集まりください』

「あっあたし行かなきゃ!!!じゃねん♪」

愛理奈はさっさと片付けるとスキップしながら体育館へ行った。

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