Snow Princess ~雪の華~
「さて、見つけた」
鏡にまた波紋が広がった。
青年が消え、次に現れたのは街の風景だった。
様々な色に反射する石がふんだんに使われた住宅街が写る。
「綺麗…」
ラミアが呟いた。
上空から見た景色はだんだんと街を移動し、市場の外れでズームインした。
その市場の人混みの中に見覚えのある長い髪が揺らめいた。
「マリン様っ!」
「あ、ちょっと! リリア!」
鏡の中にマリンの姿を認めると、部屋を飛び出したリリアをラミアは慌てて追いかけた。