Snow Princess ~雪の華~
その転機はすぐに訪れた。
家庭教師による授業が終わった時だった。
「ねぇ、リリア。いつも私の勉強を見てるだけで退屈じゃない?」
「え? そ、それは…」
突然の問いリリアは困惑した。
本音を言えば、退屈ではない。
というより、むしろ逆だ。
それどころか大体においてマリンから
これが終わったら何して遊びたいだとか
どんなお菓子が食べたいだとか
そういう希望を満たすためにいつも走り回っているのだ。
「私、ほかの子みたいに学校なんてものに行ったことがないから……誰かと一緒にお勉強するというのがどんな楽しいものか知りたいの」
マリンの目が細く笑った。