Snow Princess ~雪の華~
「いい? こういうことがしたいときには必ず私に相談すると約束して?」
「約束……?」
「そう。私はこんなことせずにあなたを城下に行かせることくらい簡単に出来るのよ?」
「でも、だって許しが…」
リリーはマリンを離し、肩をつかんだ。
「それは何時の話? 貴女がずいぶんと小さい頃の話ではなくて?」
「!」
「誰もあなたが小さな女の子のままだとは思っていないわ。
貴女は成長した。もうすぐ成人の儀を行えるまでに」
マリンの瞳が、また潤み始めた。
「大丈夫。みんな貴女を信用しているから。だから──マリンも私たちを信用して?」
「はい!お継母さまッ…!」
二人はもう一度固く抱き合った。