Snow Princess ~雪の華~


「さぁ姫様、お休みのお茶が入りましたよ」

「ありがとう。いただくわ」


パーティの前日。
お茶を片手にマリンはボーっと暗い外を眺めていた。
うるさいくらいのいつもと違う態度にいぶかしみ、リリアはマリンの顔を覗き込んだ。


「どういたしました?」

「ううん。何でもないのよ。でも……そうね。ちょっと怖いのかもしれない」

「怖い? マリン様が? 明日は雪でも降りますかね?」


リリアの言い草にマリンは頬を膨らませた。


「どういう意味よそれ?」

「さぁ?」

「その嫌味な笑顔嫌いよ」

「ありがとうございます」



< 134 / 432 >

この作品をシェア

pagetop