Snow Princess ~雪の華~
レースやフリルがたくさんつき、裾の所々に小さな宝石が縫い付けられている。
マリンならともかく、使用人としてもともと目立たないことが本分であるリリアはキラキラの服を自分が着ていることに気分が悪くなりそうだった。
もっとも、コルセットで十分気分が悪くなっていたため、五臓六腑全て出てきそうな気分であった。
「リリア、大丈夫?」
「マリン様、心配しなくても大丈夫ですよ! リリアは」
ラミアが無責任に返事を返す。
恨めしげにリリアが睨むと、耳元で言った。
「夜遅くまで復習なんかしてるからよ! しっかり休めって言ったじゃない」
―─どうしてあんたがそんなこと知ってるのよ
そう思ったリリアは、大声で言ってやりたかったが、今の体調では到底無理な話だった。