Snow Princess ~雪の華~

にこやかにラミアから送り出され、二人は部屋の外に出た。

とうとう来てしまったと、リリアの動機は激しくなる。
胸に手を当てて深呼吸をしていると、いい香りがふわっと匂った。


「?」


マリンがリリアの肩を抱くようにしてリリアの顔をすぐ側でふっと吹いた。
すると吐き気が消えてなくなり、体が軽く、気分が明るくなる。

驚いてマリンの顔を見つめると、マリンは悪戯っぽく笑った。


「どう?」

「とてもよくなりました! あの、今のは一体…?」

「幸運のおまじない」

「おまじない?」


リリアはオウム返しに聞き返した。


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