Snow Princess ~雪の華~
「最近教えてもらったの。お継母様に、ね」
「では、これは魔法の一種?」
マリンはうれしそうに頷いた。
リリアは得心した。
最近、マリンはたびたびリリーに呼び出され、二人きりで何かをしていたのだ。
それは侍女たちの間でも噂となり、リリアは皆に聞きだせと言われていたのだが、タイミングがなく聞き逃していたのだった。
その答えは、リリーがマリンに魔法の指導をしていたのだ。
「マリン様にも魔力があるのですか?」
「それはまだ分からないわ。でも昔の王家にはあったみたいなの。今のは魔法というよりは、学べば誰にでも出来るおまじないよ」
まぁ魔力があるとないとじゃ効き目は違うみたいだけど、と言って小首をかしげた。
「じゃあ、行きましょ! 怖ーいステージへ!」
「そんなこと言わないでくださいよ! また緊張するじゃないですか」
二人は笑いながら、歩き出した。