Snow Princess ~雪の華~
「あんたも行くつもりなのか?」
「もちろんよ」
リリアは鏡に挑むように睨んだ。
鏡は意地悪な笑みを浮かべる。
「気を付けな。あんたにとっては色々と辛いだろ?」
「…何もかもお見通しって訳?」
リリアは少し後退った。
だがすぐ後ろのドアに阻まれる。
「それもあるし、あの屋敷には俺の半身があるってのもある」
「鏡が屋敷にも―?」
鏡はニヤニヤ笑いを取り去った。
リリアも空気が変わったのを敏感に察知し、少し背筋を伸ばした。
「理を外れた者には罰を。
それが魔法の掟だ。
何でもかんでも一瞬で叶えるものなんかありはしない。
思い知らせてやれ」
リリアは何故そんなことを言われるのかわからなかったが頷き、部屋を出た。