Snow Princess ~雪の華~
しかし、すぐににやりとして
「あ、そっかぁ。普段お城だからそんなことこれっぽちも考えないか。
まぁ…ここも大きな屋敷だから考える必要なんてどこにもないけれど」
そう言ってまた甲高く笑う。
マリンは少女の笑い声に背筋が凍った。
人を馬鹿にしたような高笑い。
だが其れを本気で楽しんでいる、おかしな笑い。
死体に群がる猛禽類を思わせるような冷たい笑いだった。
そんな高笑いが、自分にそっくりの少女から発せられている。
マリンはささやくように呟いた。
「あなた…誰? 何者なの?」