Snow Princess ~雪の華~
いまだ混乱した顔をしているマリンの手をとって少女は熱っぽく語りかける。


「信じられない?
でも本当のことなのよ! 私たちは確かに姉妹なの! だから──」

「マリンちゃん? どうしたの?」


少女の言葉をさえぎってどこかから声が聞こえてきた。
少女は舌打ちをして背後の鏡を振り返る。


どこか聞き覚えのある声色。
マリンも少女の背後、マリンから見れば正面の鏡を見つめた。


「どなたかおいでなの? 誰と話しているの?」

「この、声……お、かあさ、ま…?」


マリンの呟く声は、少女には聞こえたかわからない。
少女は冷めた顔をしてマリンから手を離し、鏡の方へ向かった。


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