Snow Princess ~雪の華~
「な……?」


マリンは笑顔のまま固まった。
少女は後ろから近付き、無邪気にローズに言った。


「お母様、“彼女”がそのお友達ですわ」

「あら? そうなの? お友達だなんて珍しいわね。どうぞゆっくりしていって下さいね」


マリンの中で何かが壊れてゆく音がした。
マリンは硬直がとけて、ローズにすがりついた。


「私ですよ? 私が分からないの? マリンよ? 大きくなったでしょ?
私、頑張ってるの! 今日は成人の儀だったのよ!」


マリンは必死に語った。
しかしローズはふんわりとした笑顔でマリンを見つめているだけ。


< 201 / 432 >

この作品をシェア

pagetop