Snow Princess ~雪の華~
少女はなおもうれしそうにマリンを見つめ続けた。
「抵抗するあんたの母を誘拐してきて心が壊れるまで犯したのも、それで私が産まれたのも、ぜーんぶ私の所為!」
「何ですって…!」
マリンは目を見開いた。
少しだけ、マリンの瞳に力が戻る。
だが、少女はそれに気づかずに部屋の中をくるくると踊りながら答える。
「後は産まれてきた子供をあんただと思い込むローズの前で、素直でかわいい娘を演じてやれば、壊れたローズは私をあんただと疑いもしなかった!」
少女の顔がだんだんと恍惚に溺れてきた。
マリンはピクリとも動けずにただ彼女を見つめる。
背筋の凍るものが伝わり続け、感覚が麻痺してきていた。