Snow Princess ~雪の華~
「そこまでくれば後は仕・上・げ!」
「仕上げ…?」
「ええ!」
少女は部屋のマリンから一番遠い壁際に寄りかかって妖しく笑う。
マリンは体を硬くした。
「あんたを殺してからあんたの死体を使って私の外見を変えるの。そうしたら私はあんたに成りすまして城に帰るの」
「そんなことして何するの!」
マリンは荒々しく言った。
少女が遠ざかったからだろうか、少しだけマリンに力が戻っていた。
少女は身を縮めるフリをして「怖いー」と身をくねらせる。
マリンの頭に血が上ったが、まだ動くことまでは出来なかった。
「決まってんでしょ。王家をつぶすのよ。内側から、ね」