Snow Princess ~雪の華~
「潰す?
そうして、あなたたちが国を支配するというの? それともあれかしら? 土地と鉱脈をつかって隣国に取り入ろうとでも言うの?」
マリンが皮肉を言うと、少女は吹き出して笑い出した。
「すっごーい! よくもそんなに想像が働くのね。ありがとう、その考えも候補に入れさせて頂くわ。
でも残念。全部外れよ」
「じゃあ、何が目的で?」
さっきまでとは売って変わって、少女はマリンをにらんだ。
見下す目で冷たく見つめる。
「目的が必要かしら? いいでしょ? 何の目的もなくたって。でも、そうね…強いて言うなら…あんたとローズを殺したかった。それだけよ」
「何で! 私が、お母様が何をしたというの!」
少女は腕を組み、マリンを見下したままゆがんだ口元で言う。
「確かにあんたは何もしていないわ。私がにくいのはあんたの母。
あんたに罪はなくても、ローズの娘。それだけでいなくなる価値があるわ」