Snow Princess ~雪の華~

ベリルはナイフを片手につかつかと歩みよる。

マリンの首筋に刃をあてがった。


「どう、死ぬ前の気分は?」


ヒヤリとする刃はピタリと首筋に止まっている。
首筋だけは麻痺したか、他の場所から一気に冷や汗が噴き出した。

マリンはギュッと目を閉じた。


「た…助けて……み、んな…!」


それを聞いたベリルは大げさに驚いて言った。


「皆? 知らなかったわ! 貴女にもそう言える人がいるとはね!」


ベリルは甲高い声で高笑いした。
そしてナイフを放り投げ、言った。


「貴女が言う皆を見て見たくなったわ!」


ベリルは男たちに指示をしてマリンを鏡の前に立たせた。

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