Snow Princess ~雪の華~
「さあ、唱えて!
『鏡よ鏡よ鏡さん?
お姿見せて下さいな?
そうっと見せて下さいな?
真の姿で誠の心・探しものの手助け下さいな?』」
マリンは嫌そうな顔をしかけたが、自分に選択の余地はないと知って従った。
「か……鏡よ鏡よ、鏡さん?
お姿見せて…下さい、な?
そうっと見せて下さいな?
真の…姿で、誠の心・探しものの手助け……下さいな?」
「お呼びかな?」
鏡に波紋が走ったと思うとそこに青年が現れた。
少女はマリンの背中を小突く。
「皆を……私の大切な皆を、見せて」
鏡は小さく頷くと、鏡の上部から、城の広間のリリーとシャーマ、どこかを走っているリリアとキーファ、騎士団の人々を指揮するシーモア、静かに眠るローズが映った。
「へぇ……」
ベリルは目を細めた。
「いいわ。彼らの誰かが来るまで待ってあげる。大切な人の前でむごたらしく殺してあげるわ」