Snow Princess ~雪の華~
リリアがスピードを落としはじめ、キーファはしめたと思ったが、そう甘くはなかった。

二人はすでに屋敷の門扉の前にたどり着いていた。



鏡では上から見下ろすように映ったため多少景色が違っていたが、目の前に佇むのは確かに鏡が映し出した屋敷であった。

魔法というものが存在することを目の当たりにしたキーファは少し圧倒された。


「落ち着けよ! せめて小隊が到着するまで待て!」


しかしリリアは話を聞かずに門扉を開きにかかる。

キーファは馬から飛び降り、リリアの腕を掴んだ。


「聞けよ! 何をそんなに焦ってんだよ!」


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