Snow Princess ~雪の華~
「だけど、君が城に務めるとは思わなかったよ。君は人一倍僕らの教育に染まっていたからね」
「そんなもの、すべてを知った時に全部消えましたよ!
城を選んだのは単に奥様が王族を嫌いだったからですよ!」
リリアが事も無げに答える。
あまりに簡単な理由にゴーシェは思わず声を上げて笑った。
「リリアちゃんらしいや」
二人は素早い動きで刃を交える。
「スゲェ…」
その光景をキーファは呆然と見つめていた。
騎士団では決して見ることのない戦い。
美しいともいえる舞いと散る火花にキーファは見とれてしまう。
その為、自身が呼ばれていることにも気が付かなかった。
「キーファ!!」
「ん? あ! シーモア!」
振り向けば幼なじみと、多くの仲間がいて、安心感が溢れでるのを感じた。