Snow Princess ~雪の華~
ゴーシェはプロのスパイだ。
動揺など他人に見せるハズがない。
――嵌められたかもしれないね
昔の教えが、今役に立っていることに気が付いたリリアは皮肉だと笑った。
とにかくターゲットは決まっている。
あとは、どう仕留めるかだ。
「!」
リリアは、立ち止まった。
急いでポケットの中身をひっくり返す。
「…あった」
リリアは早口で呟くと、リリアの手の中のものが声を発した。
「今度は何の用かな? 迷える子羊さん」
「頼みがあるの。協力して」
リリアは、マリンのペンダントを見つめて息を飲んだ。