Snow Princess ~雪の華~
マリンは床に力なく倒れていた。
今、部屋にはマリンとベリルの二人だけだ。
侵入する騎士団を迎撃する為に、黒装束の男たちはいない。
暫く動かないマリン。
その腹をベリルは踏んだ。
「もう寝ちゃった? 寝んねはまだだって言ってるでしょ? マリンちゃん?」
「ぐぁっ!」
「キャッハハハ! 酷い声!」
男たちもいない。
殺すのもまだ。
退屈になったベリルはマリンを傷付けて遊んでいた。
今やマリンの顔は腫れ上がり、鼻血を出して無惨なものだった。
服で見えないが、傷はそれだけではない。
ベリルは細く高いヒールで同じ場所を蹴り続ける。