Snow Princess ~雪の華~
自分を確認すると、ケガの痛みが戻ってきてマリンは顔をしかめた。
見上げれば、狂喜を浮かべたベリル。
何ら変わりはしないはずなのに、どうしても先ほどと同じようには見れなかった。
「あなた、誰?」
「は?」
ベリルは狂喜のまま固まった。
思わずこぼしただけの呟きを、今度は力を入れて言った。
「あなたは誰?」
「!! ……なんですって?」
初めてベリルが狼狽えた。
その反応に確信を得たマリンは、ベリルの手を払い、立ち上がる。
「あなたはベリルじゃない。それどころか、老いた醜い悪魔じゃない!」