Snow Princess ~雪の華~
ベリルは唇を噛んでマリンを睨みつけた。
「何を……小娘がっ!」
「何でも結構よ! それでもあなたよりはいいわ!」
マリンはベリルから出来るだけ距離を取った。
「あなたは誰? 今ならまだ見逃してあげるわ!
だから大人しく彼女の体を返して!」
ベリルは吹き出して、腹を抱えて笑い出した。
「どこまでも勘違いの甚だしい小娘ね!
見逃す?
あんたはまだ私の手のひらの上よ!」
「くぅっ!?」
ベリルが空を掴むと、マリンの首が何かに掴まれた。
首が締まり視界が朦朧とする。
「ちょっと感づいたからっていい気になってんじゃないわよ!」
ベリルが腕を降り下ろす。
それに連動してマリンが吹き飛ばされた。