Snow Princess ~雪の華~
「あがっ!」
壁にぶつかった時、背中で何かがカチリと音を立てて動いた。
マリンは鏡に激突したようで、衝撃で隠し扉が作動したらしい。
扉が開くと、恐ろしい速さでベリルが隠し部屋に駆け込んだ。
マリンも続こうとしたが、すんでで止まった。
鼻先に鋭いナイフが突き付けられていたからだ。
「大人しくしてなさい。ローズがどうなってもいいの?」
「! ――卑怯な!」
ベリルはナイフを持つ手とは逆の手でまた空を掴み、背後でローズが宙に浮いていた。
手を上下に揺さぶれば、同じように母も揺れた。
「やめて!!」
マリンは悲痛な声で叫んだ。
「部屋から出なさい」
壁にぶつかった時、背中で何かがカチリと音を立てて動いた。
マリンは鏡に激突したようで、衝撃で隠し扉が作動したらしい。
扉が開くと、恐ろしい速さでベリルが隠し部屋に駆け込んだ。
マリンも続こうとしたが、すんでで止まった。
鼻先に鋭いナイフが突き付けられていたからだ。
「大人しくしてなさい。ローズがどうなってもいいの?」
「! ――卑怯な!」
ベリルはナイフを持つ手とは逆の手でまた空を掴み、背後でローズが宙に浮いていた。
手を上下に揺さぶれば、同じように母も揺れた。
「やめて!!」
マリンは悲痛な声で叫んだ。
「部屋から出なさい」