Snow Princess ~雪の華~
「あの土の塊は何?」
リリアは少し考えこんだ。
「おそらく、黒魔術によるものかと」
「詳しく」
「少し前からマリン様たちの会話を聞かせていただいてましたが、彼女の中にいたのはおそらくナナイ・ラル・ド・ベリル、彼女の母親です。
黒魔術に他人の体に別の魂を入れるものがあります。たぶんその副作用で……」
リリアは本当に悲しそうな瞳で、驚いた顔のままの土塊を見つめた。
きっと、仲良くしていたのだろう。
野望の犠牲になったことを本当に哀れに思っているのだ。
「うぅ…?」
下に目を向けるとローズが目を覚ました。
「お母様…」
「この方が、ローズ様、ですか」