Snow Princess ~雪の華~
「マリンちゃん? どうしたの? どうして? 私は寝たんじゃないの?」
「王妃さま、マリン様ならここに」
「黙ってリリア!」
ローズに手を貸そうとしたリリアは、マリンを振り返った。
明らかな困惑が表情に浮かんでいる。
マリンは泣きそうになった。
「お母様にとって…もう、マリンは私じゃないの…」
その言葉を言うと、マリンの瞳から涙が零れ落ちた。
「それはどういう…?」
答えはすぐに出た。
ローズはベリルの土塊を見て取ると、「私のマリンちゃんが死んじゃった」と大声で泣き出したのだ。
そのさまはまるで小さな子供のように。
壊されたおもちゃを見て泣き出したかのようだった。