Snow Princess ~雪の華~
「どうしてあたしだとわかった?」
リリアは目を伏せた。
「マリン様が脱走したあの日、私が叫んだらあなたすぐ来たじゃない?
それに魔法の鏡を知ってたこと、私がこっそりマナー作法の練習をしてたのを知ってたこと。
全部怪しかったよ」
リリアは泣きそうな顔で微笑む。
ラミアは表情を歪ませた。
「それは…」
「私だってあの人の元で叩き込まれたんだよ?
尾けられてるのかどうかぐらいわかるわよ。
鏡に至ってはいちメイドの知ってることじゃない」
「…ごめんね」
その言葉に、リリアはうつむいてきつく唇を噛んだ。