Snow Princess ~雪の華~
マリンが無事城に帰った時、既に夜は開けて、リリアの声は失われていた。
リリーは声がなくなる寸前のリリアから事情を聞いた。
そして、あまりにも傷付いた二人の少女をそっとしておくよう指示した。
リリアは翌日から通常業務に復帰したが、マリンは暫く部屋に閉じ籠り、食事もたいして喉を通らなかった。
そんなマリンが公の場に復帰したのは、ナナイとゴーシェの裁判であった。
彼女は突然立ち上がり、被告に死刑を宣告、審議の必要は一切ないとし、場は騒然となった。
だが、ナナイは1人渇いた不気味な高笑いをしていたという。
『ハハハ! それでこそ…あんただよ! ローズの仇には容赦する訳ないものね!』
ただ、牢に帰されるときには酷く穏やかな表情だったという話だった…