Snow Princess ~雪の華~
「歪みが産まれてくれば来るほど、ここの奴らはオレを頼ってきた。
でも、見えてくる先は決して芳しくは無い。
そうすればまたオレに頼ってくる。
もう、うんざりなんだよ。
期待のこめられた目が、何も出来ない自分が。
そしてこれから先に起こるであろう悲劇。
オレはまた見ているだけさ。
これだったら、ただの鏡だったほうがどんなに幸せだかわからねえ」
リリーは黙っていた。
彼の言うことはもっともだ。
結界の崩壊、それがこんなにも大きなことをもたらすとは……。
リリーは爪を噛んだ。
以前のことは仕方ないとして、この現状は自分の所為だ。
「私が、もっと結界の管理をちゃんとしていれば…」