Snow Princess ~雪の華~

その言葉に、今度は鏡が首を傾げた。


「結界の要はあくまでも神に授けられたオパールだ。
魔法でどうこう出来るもんじゃないぜ?」

「え!?」


リリーは思わず立ち上がった。
手を口元に持っていき、俯いて考えこむ。


「じゃあ…この騒動は一体…何?」


鏡を見つめると、目を見開き、おびえた表情の自分が見つめ返してきた。
自分の目の少ししたあたりにある青年の口が動く。


「オレは対価をもらわない限り嘘はつけないからな」


「じゃあ、結界のひび割れは一体どうして出来たというの…?

一体、この国に何が起きているの……!?」


リリーはしばらく、そのまま立ち尽くしていた。

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