Snow Princess ~雪の華~
その時だ。
マリンの服をさらに剥ぎ取ろうとしていた太ったほうの男がにやにや笑いを貼り付けたまま、マリンの方に倒れてきた。
「わわわっ! ヤダヤダ来ないで!」
だが、男は何もせず、床に頭をぶつけて倒れた。
「な、何?」
ガタンっ!
大きな音がして振り返ると、ひょろい男も緩やかに倒れた。
マリンは目を瞬かせた。
倒れた男の後ろに、若い男が立っていた。
「まったく、脱走なんて困るよ」
彼があきれたように言うと、背後から次々に声が飛んできた。
「ホントさね」
「これは依頼にあった内容を超えてると思うよ」
「同感。まあ、城も脱走したことあるらしいじゃん? この人」
「それ聞いたー。脱走癖あんじゃね?」
「ここではやめてくれよ。失敗して殺されんの俺たちだろ?」
「やっぱあのリリアて子の注意事項全部やっとけばよかったか?」
「「ああ!そうだった!」」
マリンは驚いて口が聞けなかった。
目の前にいる男とそっくりな男が6人、そこには立っていた。