Snow Princess ~雪の華~
鏡が口を出さないことが気になったリリアは鏡をじっと見つめた。
じっと、じっと見つめる。
「な、なんだよ…」
鏡が視線に気づいてギクリとなった。
リリアはただ見つめる。
若干、見つめる目が細まる。
「べべ別に聞かれて無いから、言ってないだけでオレは特に」
リリーはそれを聞き逃さなかった。
「聞けば言うのね。じゃあ彼が豹変したのはなぜ?」
「うぅん…それはだ、な──な?!」
鏡は口をあんぐりと開けた。
「もったいぶらないで、早く教えてくれないかしら?」
リリーが不満そうに言うと、鏡は震える手でリリーとリリアの間を指差した。
「?」
二人はその指すほうへ顔を向ける。
「ええっ?!」
リリーやリリアが驚くのも無理はない。
そこにはいるはずの無い人間――マリンがいたのだから。