Snow Princess ~雪の華~
けれどもそんなことはお構いなしに、リリーはマリンを抱きしめる。
突然のことにマリンは目を白黒させた。
「お継母さまっ?!」
「もう! いくら心配させたら気が済むのよ!
ローズ様に絶対に守り抜くって誓ったっていうのに…その約束くらい、守らせて頂戴…」
「お継母さま…」
実体ではない自分は継母に触れることは出来ない。
けれども、その暖かさは十分に伝わってくる。
マリンは心地よさげに継母の胸に顔をうずめた。
ひとしきり気がすむと、リリーはマリンを離した。
「ごめんね。名残惜しいけれど、そろそろ本題に戻るわ。ああ、マリンも出来たら聞いて行って」
リリーとマリンが席に着くと、リリーは鏡に向き直る。
「じゃあ、さっきのことを教えてくれるかしら?」