Snow Princess ~雪の華~

「さて、それを知ったお前たちはどうする?」

「もちろん、御石を壊すわ! そんなものに私は追い出されているなんて最悪だわ!」


マリンは勢いよく言ったが、他の二人は暗く沈んでいた。


「ど、どうしたのよ二人とも」

「ことはそううまくはいかないのよ。

まず、御石は結界の役目を果たしているわ。
けれどもその隙間からこの前のベリルの一件が発生した。

その件のおかげで隣国との関係は最悪の状態。

だとしても、かろうじて保っている結界のおかげで彼らはここに攻め込まずにきている。
今、結界がなくなるなんてことになって御覧なさい。

ちゃんとした軍隊を持たないこの国は数日で滅びるわ」

(それだけじゃありません。
いきなり民の支配が消えたとして、彼らは今までひとつの考えで生きてきました。

それが他国の侵入でいきなり180度変わってしまったら、大きな環境の変化に耐え切れず、多くの民が路頭に迷うでしょう)

「それから、御石を壊せることを前提で話しているようだがまず石を壊すことがとても困難だ」


それぞれに言われ、マリンはシュンとして椅子に座り込んだ。


< 328 / 432 >

この作品をシェア

pagetop