Snow Princess ~雪の華~
5
翌日、リリーはシャーマと二人で執務室にいた。
「と、いうわけで東地区の病原菌の騒ぎが収まるのはもう時間の問題よ。
一番心配なのはまだ発症してないだけの人が他にいないかね。
もっと多くの薬とレシピを作るから、市場に出して普及させてくれるとありがたいわ」
「わかった。コーネル、すぐに手続きを頼む」
「畏まりました」
命令を受けると双子の片割れの秘書は足早に出ていく。
「すまないな、いつもいつも」
「そんなことないわ。これが私の仕事だもの」
シャーマは笑って礼を言う。
リリーは少しだけ悲しい気持ちでシャーマを観察した。