Snow Princess ~雪の華~
リリアはマリンの怒りように困惑して眉を下げる。


「幽体離脱は体に危険なんです。ですから、どうかお戻りになってください」

「私がここにいても何も意味はないの?」


マリンはすがるような目でリリアに聞いた。
そしてリリアはマリンをじっと見つめ、答える。


「残念ながら、今の姫様には私も、周りも誰も手がいっぱいでかまってる暇はありません」

「じゃあ…私はいらないの?」


その問い方に少しだけ違和感を感じたが、リリアは首を縦にふった。


「!!」


マリンは見開いた目でリリアを見つめる。
リリアはじっと次の言葉を待つばかり。

しばらく見つめ、マリンは目をそらした。


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