Snow Princess ~雪の華~
マリンは城の塔の上でぼうとしながら浮いていた。
人々に言われた言葉の数々が頭を巡る。


(ありゃ、こんなことも出来ねぇか?)

(そんな細腕じゃあね…)

(ここにはあんたの仕事はねぇよ)

(他をあたってくれ)

(ワガママ姫)

(超絶ぶりっ子)

(あんたいらないのよ)


――じゃあ、私は何でいるの?


体を回転させ、頭を下に空を見上げる。
ただ空は果てしなく青く白い雲が流れるだげ。

なのに、それもどこか色褪せた灰色に見える。



思い出されるのは父の冷たい瞳。
そして、リリアの小さく頷く様子。
体を起こし、マリンは呟いた。


「みーんなみんな、もうどーでもいーや」


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