Snow Princess ~雪の華~

「マリンの様子をこの目で見に行きたいんだが、どうにか出来ないか?」

「はい…?」


リリーは耳を疑い、聞き返した。


翌日、リリーは朝一番にシャーマに呼び出されいきなりこんなことを言われたのだ。
つい少し前まで厄介払いだとマリンを放り出した人間がどの口で言うのか。

それともいっそ情が戻ったのか?

いろんな疑問がない交ぜになり、リリーは何も言えず突っ立っていた。


「出来ることなら、私であるとバレたくない。変身か何か出来ないか?」

「も、もちろん出来ますが…」


それを聞くとシャーマは立ち上がった。


「すぐに準備しろ。準備出来次第出発する」


リリーは昨日のシャーマをありありと思い出し不安にかられた。


< 345 / 432 >

この作品をシェア

pagetop