Snow Princess ~雪の華~

「あなたは一体どちらなの?」と、言いかけて、止めた。
シャーマは幼い顔にいぶかしそうな表情を浮かべている。

何でもないと笑えば、シャーマは口を尖らせる。

彼自身なのか、操られているのか。
どちらかでも知るのが怖くなったのだ。


「リリー」


シャーマはそっと呼び掛けた。
泣きそうになりながら、顔を上げる。

そこには見慣れない彼の顔があった。


「気持ち悪い」


シャーマはぎょっとして傷付いた顔をした。


「ひどいな」

「あなたがあなたじゃないのは嫌よ」

「君がこうしたんだろ?」


彼が無邪気に笑う。
リリーはシャーマを軽く突飛ばした。


「私も着替えてきます!」


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