Snow Princess ~雪の華~
7
マリンはどこかもわからない夜の空をふわふわと揺れる。
糸が弛んでいくような感じで自分が体から離れていってることがわかる。
──このまま死ぬのかな
それでもいいと思わなくもない。
もうすでに必要とされていない命。
どこへ行こうとも、何をしようとも勝手である。
──それなのになんだろう…?
自分が空っぽで何もないようなこの寂しさは。
自由で、自分勝手で、他人なんて気にしなくていいのに。
誰かに自分のことを気づいてもらいたいというこの気分は。
「おかーさま…」
なぜこの言葉なのかすらもわからない。
何がしたいのかもわからない。
何でわからないんだろう…?
夜空を何かが飛んでくる。
それよりも何が知りたいんだろう?
私に向かってブンブンと音を立てながら。
私が知りたいことって?
それは周りを飛び回って――
「ああ! もう、うるさいなぁ!!」
マリンは音の聞こえるほうへ手を払った。