Snow Princess ~雪の華~
「――そうして、今私たちが住むこの国が出来て、皆幸せに暮らしています。
めでたしめでたし。
これにて今日のお話は終了です。
……って聞いてる奴らいやしねぇな…長すぎたか」
顔を上げれば始まったときには大勢いた観衆がどこへやら。
しかし、一つだけの拍手が響いた。
見れば小さな男の子が熱心な目を彼に向けていた。
小さくお礼を言うと、彼はまた帽子を深くかぶり直した。
「ねぇ、語り部のおじさん!」
「お兄ちゃんな」
すぐさま訂正。
そんなに帽子と髪の毛で隠してたらわかんないよと少年はぶつくさと文句を言う。
それでも気をとり直して明るく声をかけた。
「今日はうちに泊まりなよ! お兄ちゃんの話もっと聞きたいし」
語り部は腕を組んで唸った。
「ありがたいけど、いいよ」
「ええ? 何で?」
めでたしめでたし。
これにて今日のお話は終了です。
……って聞いてる奴らいやしねぇな…長すぎたか」
顔を上げれば始まったときには大勢いた観衆がどこへやら。
しかし、一つだけの拍手が響いた。
見れば小さな男の子が熱心な目を彼に向けていた。
小さくお礼を言うと、彼はまた帽子を深くかぶり直した。
「ねぇ、語り部のおじさん!」
「お兄ちゃんな」
すぐさま訂正。
そんなに帽子と髪の毛で隠してたらわかんないよと少年はぶつくさと文句を言う。
それでも気をとり直して明るく声をかけた。
「今日はうちに泊まりなよ! お兄ちゃんの話もっと聞きたいし」
語り部は腕を組んで唸った。
「ありがたいけど、いいよ」
「ええ? 何で?」