Snow Princess ~雪の華~
「どうしてよ」
「外は危険ですし、何かあったらどうするんですか。姫様、お菓子で遊ばないでください。お行儀が悪いです」
リリアの注意をよそに手の中でお菓子をいじるマリン。
ポーンと投げたお菓子をリリアがキャッチして取り上げる。
「んもう、いいじゃない別に…いつまでも城の中にいたってつまらないのっ!」
「だったらお庭で遊んでてください! そこだって立派な外です」
「いーや! いやいやいや!」
「駄々をこねないでください! みっともないですよ?」
頬をいっぱいに膨らませ、マリンはしばらくテラスの向こう側を見つめていた。
リリアはやっと大人しくなったと思い、テーブルを挟んでマリンの向かい側に座り自分のお茶をすする。