Snow Princess ~雪の華~


「本当によろしいのですかな?あの若造、昔と相変わらず、無礼をしでかすやもしれませぬ」

「今回は構わないわ。ちょっと私の野暮用をこなしてもらうだけですもの。
それこそあなた方に頼むようなお仕事ではございませんわ。ご安心くださいな、ドリーシュ卿」


ドリーシュはあごに手をやり、しばしの間考え込んだ。


「本当にそれだけで済めばよろしいのですがな。わかりました、お連れしましょう。今頃きっと着替えを済ませて休んでいることでしょう」


そんなドリーシュの態度にマリンはくすり、と笑った。


「信用がないのね、彼」

「問題ばかり起こすような輩ですからな」


ドリーシュは肩をすくめ、再度マリンを馬に乗せて手綱を引いた。



< 57 / 432 >

この作品をシェア

pagetop