Snow Princess ~雪の華~
トントン
部屋に居たマリンはノックの音で顔をあげた。
「どうぞ、お入りになって」
ゆっくりと開けられた扉の奥に三人の人影が見える。
一人はこの国の頂点に君臨する人物、己が父シャーマ。
もう一人は父の秘書にして国の右大臣、コーネル。
そしてもう一人──
「?」
もう一人はマリンには見覚えがなかった。
誰だろう、大体の察しはついていたがその疑問が頭に浮かぶ。
「マリン、新しくお前の従者として働くリリアだ。仲良くするようにな」
「ご機嫌麗しゅう、マリン様。リリアと申します。どうぞよろしくお願いいたします」
父が紹介すると、彼女は丁寧にお辞儀をした。